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お母さんと一緒に

注文の多い料理店朗読喜多川拓郎注文の多い料理店

 二人の若い紳士が、すっかりイギリスの兵隊のかたちをして、ぴかぴかする鉄砲をかついで、白熊のような犬を二疋つれて、だいぶ山奥の、木の葉のかさかさしたとこを、こんなことを云いながら、あるいておりました。

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宮沢賢治作品セロ弾きのゴーシュ朗読喜多川拓郎セロ弾きのゴーシュ

 ゴーシュは町の活動写真館でセロを弾く係りでした。けれどもあんまり上手でないという評判でした。上手でないどころではなく実は仲間の楽手のなかではいちばん下手でしたから、いつでも楽長にいじめられるのでした。

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貝の火宮沢賢治作品朗読喜多川拓郎貝の火

 今は兎たちは、みんなみじかい茶色の着物です。
野原の草はきらきら光り、あちこちの樺の木は白い花をつけました。
実に野原はいい匂で一杯です。
子兎のホモイは、悦んでぴんぴん躍りながら申しました。

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どんぐりと山猫朗読喜多川拓郎どんぐりと山猫

おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。
かねた一郎さま 九月十九日
あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
あした、めんどなさいばんしますから、おいで
んなさい。とびどぐもたないでくなさい。

                山ねこ 拝

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朗読喜多川拓郎狼の森と笊森盗人森狼の森と笊森盗人森
 小岩井農場の北に、黒い松の森が四つあります。いちばん南が狼森で、その次が笊森、次は黒坂森、北のはずれは盗森です。
 この森がいつごろどうしてできたのか、どうしてこんな奇体な名前がついたのか、それをいちばんはじめから、すっかり知っているものは、おれ一人だと黒坂森のまんなかの巨きな巌が、ある日、威張ってこのおはなしをわたくしに聞かせました

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朗読喜多川拓郎鳥をとるやなぎ鳥をとるやなぎ
「煙山にエレッキのやなぎの木があるよ。」
 藤原慶次郎がだしぬけに私に云いました。私たちがみんな教室に入って、机に座り、先生はまだ教員室に寄っている間でした。尋常四年の二学期のはじめ頃だったと思います。
「エレキの楊の木?」と私が尋ね返そうとしましたとき、慶次郎はあんまり短くて書けなくなった鉛筆を、一番前の源吉に投げつけました。

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朗読喜多川拓郎よくきく薬とえらい薬よくきく薬とえらい薬
 清夫は今日も、森の中のあき地にばらの実をとりに行きました。
 そして一足冷たい森の中にはいりますと、つぐみがすぐ飛んで来て言いました。
「清夫さん。今日もお薬取りですか。
 お母さんは どうですか。
 ばらの実は まだありますか。」
 清夫は笑って、
「いや、つぐみ、お早う。」と言いながら其処を通りました。
 其の声を聞いて、ふくろうが木の洞の中で太い声で言いました。
「清夫どの、今日も薬をお集めか。
 お母は すこしはいいか。
 ばらの実は まだ無くならないか。
  ゴギノゴギオホン、
      今日も薬をお集めか。
 お母は すこしはいいか。
 ばらの実は まだ無くならないか。」

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宮沢賢治作品車朗読喜多川拓郎
 ハーシュは籠を頭に載っけて午前中町かどに立っていましたがどう云うわけか一つも仕事がありませんでした。呆れて籠をおろして腰をかけ辨当をたべはじめましたら一人の赤髯の男がせわしそうにやって来ました。
「おい、大急ぎだ。兵営の普請に足りなくなったからテレピン油を工場から買って来て呉れ。そら、あすこにある車をひいてね、四缶だけ、この名刺を持って行くんだ。」

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宮沢賢治作品二人の役人朗読喜多川拓郎二人の役人
 その頃の風穂の野はらは、ほんたうに立派でした。
 青い萱や光る茨やけむりのやうな穂を出す草で一ぱい、それにあちこちには栗の木やはんの木の小さな林もありました。
 野原は今は練兵場や粟の畑や苗圃などになってそれでも騎兵の馬が光ったり、白いシャツの人が働いたり、汽車で通ってもなかなか奇麗ですけれども、前はまだまだ立派でした。

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