朗読とナレーション: 2007年2月アーカイブ
はじめまして。
現在、ささやかながら声を使う仕事をしているのですが、
先週から声がほとんど出なくなってしまいました。
声を専門に扱っている耳鼻科医院を教えていただけたらと思いまして、メールさせていただきました。
KIさんからのメール
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KIさんへの返信:
お疲れ様です。喉の不調は声を扱う仕事をしているものにとっては深刻な問題ですよね。お察し申します。どんなに注意深く生活していても、痛めてしまいがちです。なにはともあれ耳鼻咽喉科の先生に見て貰うのが一番早く治って、一番安上がりです。でも耳鼻科の先生には様々な方がいらっしゃっいます。最近は音声外来専門も出来て、ファイバースコープで声帯を撮影して見せてくれるクリニックも増えました。お住まいがどちらかにもよりますが、音声外来で検索してみてください。こちらのホームページにリンクがありますので参考にしてみて下さい。http://www.charmingvoice.com/clinic/index.htm
自分でも録音してみたいのですが、
機材について教えてください。
ZOOMのH4を候補に検討しています。
JHさん
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JHさんへの返信:
現在はR-09を主に使っています。
H4が出る前に買ってしまい、H4を見てしまったと思いました(笑)
音は聞き比べていませんが、ZOOMのH4はCubase LEが付属するというのもお買い得感を高めていますね。
それとなんと言ってもファンタム電源がついているのが魅力です。
コンデンサーマイクを使っているのでH4ならこれだけでいつでも録音できますものね。
なのでマイク電源用にミキサーを使って、R-09に書き込んでいます。
マイクが電源不要タイプなら、R-09はお勧めです。
内蔵マイクだけでも充分な性能です。
通常の録音でしたらこれだけであとは必要ありません。
ただステレオで、指向性が広いので、遠くの音まで拾っていまいます。
でもヘッドフォンで聞かない限り判らないかもしれません。
R-09の良さは内蔵マイクの性能だけではありません。
操作性も抜群です。
真ん中のRECボタンを押せばすぐに録音できるので会議や生録など用途
は沢山あると思います。
それと大きさも手にとってH4と比べると半分くらいに感じます。
値段や付属ソフトを考えるとZOOMH4は魅力に感じます。
R-09に不満があるとすれば、USBの接続が電池、SDメモリーと一緒になっていて、いちいちケースを開かないと
つなげないと言う点です。オプションの専用ケースをつけているとさらに面倒です。
ケースを外しSDカードの蓋を開かないとUSBコードをつなげません。
パソコンのファンが静穏タイプなら、直接PCに録音する手もあります。
その場合は音楽用USBインターフェースに様々な機種が販売されているので、そちらを選択するのもあ
ると思います。
私はMBOXminiを買いました。
プロツールスを編集に使ってます。多くのスタジオで使っているだけあって使いやすいです。
でも録音にはまだ使ってません。
夏場はスタジオを借りて録音します。
家ではセミの音がうるさくてとても使えないからです(笑)
もしH4を使うようでしたら、結果を教えてください。
宜しくお願いします。
機材に関する質問は以前の掲示板にもありましたのでそちらも再掲します。
朗読の自由公開に感謝しています。
朗読されている作品は全て原文通りで、簡約されていないのですか。
いずれか明記されていないので、質問させていただきました。
日本の朗読CD-ROMを購入してから、後で内容は簡約版であるのに気づき、がっかりしたことがありました。
UKさんからのメール
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UKさんへの返信:
ご指摘のように朗読の底本をはっきり記載するべきかもしれません。
なるべく原作通りにやっているつもりですが、銀河鉄道に取り組んで、原作自体がよく分からない場合があることを知りました。銀河鉄道の場合は未完成作品ですが、基本的にWEBサイト「森羅万象」の宮沢賢治作品館のテキストデータを最終台本に使わせていただいています。ルビは宮沢賢治語彙辞典を参照して決めたり、文庫や全集などを参考に決めています。ただ銀河鉄道は登場人物を俳優で演じ分ける都合上つじつまの合わない部分に関しては一部変更させていただきました。
こちらの都合で割愛することはありません。
録音機器,録音にはR-09以外には何を使っていらっしゃいますか?
マイク、録音機器などご使用機器、録音方法、などを教えていただけたらうれしいです。
楽曲録音、鳥の声録音、に関するページは多いのですが、
人間の声の録音に関するページはあまり見つけることができませんでした。
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録音機器,Gomazouさんへの返信:
そうなんですよね。
機材もほとんどが楽曲作成用のもので、
声を録音できる簡単な機材がないか探しているところに
R-09が突然現れたという感じです。
機材についてはそれほど詳しくないのですが、ご紹介します。
最初DVカムに外部マイクを接続して、録音してみました。
これは48Khzなので、いい音です。
次は、コンデンサーマイクが手頃な価格で手にはいるようになったので、
それを使うためにファンタム電源付きのMTRを買いました。
FOETEXのVF08です。まだ時々使ってます。
ただしSCIS書き出しタイプで、PCに取り込むのが大変!
本体でも編集できますが、液晶が小さいので、ちょっと骨です。
そこで、PCのオーディオインターフェースにローランドのUA700を買いました。
これなら直接PCに録音できます。
ただし私のPCは未だにファンノイズがけたたましく、後処理が面倒です。
と言うわけでR-09は私にとって夢のような機材です。
現在は、アナログミキサー(FOIO,Notepad)にマイクとR-09をつないで録音しています。
マイクはロードNT3とオーディオテクニカのATS520を使い分けています。
ZOOMのH4も良さそうですね。
R-09を買う前なら、こちらにしたかもしれません。,
初めまして 宮沢賢治の朗読が好きで このホームページの
朗読を毎回楽しく聴いています。
このサイトの朗読を聴いたときに、どの作品も声がはっきりと聞き取りやすく
登場人物一人一人丁寧に演じ分けているので、
今までの朗読のイメージが、がらりと変わりました。
文章の魅力を朗読で引き出すということに
衝撃を受けたのと同時に、惹きつけられました。
是非ともCD化して欲しいと思いました。
NYさんからのメール
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NYさんへの返信:
有り難うございます。
嬉しいお言葉を今後の励みにさせていただきたいと思います。
CDにして欲しいと言う方が他にも大勢いらっしゃいます。
でも、今のところ新しい作品を録音して更新するのが手一杯で、そこまで手が回りません。
お手数をおかけして申し訳ありません。
AY君からのメールです。
アニメのオーディションのチャンスをいただきました。
オーディションはどういった流れになるのかなどわからないことだらけで不安です。
オーディションなどで気を付けること、何かアドバイスや注意することなどありましたらどうかお願いいたします。
AY君へ
おはよう
オーディションか良かったね!!
オーディションと言ってもいろいろなスタイルがあるから
あまり余計な事は考えずリラックスして臨んでください。
とは言っても緊張しない人はいないよね。
心臓が口から飛び出しそうになった記憶が何度もあります。
こんな時はああしよう、こうしなければと行動マニュアルを探すと余計緊張してしまいます。
「あたって砕けろ」「ダメモト」精神です。
キーワードは
3つの「アイ」です。
まずは「アイサツ」
全ての人と元気よく挨拶しましょう。
周りの人とコミュニケーションが上手くとれれば、緊張から解放されます。
二つめは「アイコンタクト」
挨拶の時、必ず相手の目ましょう!!
三つめのアイは「キアイ」気合いです。
上手に演じようとせず、気合いを見せてください。
オーディションは真剣勝負です。
何人もの人を呼んで作品のイメージに合った人を探すのですから、相手も真剣です。
気合いで勝負に負けないようにしましょう。
ゼロのポジションを思い出してください。
身体のバランスを整えると「集中力」も出てきます。
それと最も大事なのは、基本的なことですが、
時間の余裕をもって現場に行くこと。
最低でも30分は早く行くこと。
場所の確認は必ずやってシュミレーションしてください。
大勢人がいて圧倒されそうになりますが、ここでも気合いを入れて下さい。
それから今からでいいです、滑舌練習と、呼吸練習は毎日しつこいくらい続けて
ください。オーディション当日にこれだけやったと自信が持てるくらいやってお
いてください。やりすぎることはありません。
原稿やキャラクター表(演じる役のコンテ)は当日になりますから、慌てないよ
うに、原作などがあれば、必ず目を通す事。
同じ作者の作品などにも目を通すことが理想です。
自信を持って臨んでくださいね。
ではでは健闘を祈ります。
茨城県の奥久慈の自然をテーマにしたビデオ作品のナレーションをさせて頂いた事があります。奥久慈の小動物や植物を、一年がかりで丹念に取材した大作です。シータテハ等珍しい昆虫の生態や季節ごとの植物も色美しく記録されています。八溝山の全景を春・夏・秋・冬と同じポジションのカメラでオーバーラップさせていく映像がタイトル前の導入部分に使われていました。よくお天気情報などに使われている定点カメラの映像かと思って聞いてみたら、機材を担いで1時間以上かけて山を登って撮影した映像だと聞いて少し驚きました。多少のずれは編集で修正できるかもしれませんが、季節毎、同じポジションにカメラを構えるのには大変苦労したようです。特殊な技術が必要だそうですが、残念ながらそこまでは聞くことが出来ませんでした。作品は30分程に編集されていましたが、これまでの撮影時間を考えるとナレーションの役割は重大です。時間がかかるのは撮影だけではありません。膨大な量の素材テープの編集、そしてナレーション原稿作り、音楽・SE入れ。最後がナレーションMA作業です。テーマは「豊かな自然に感謝し人間との共存を考える」自然テーマ館で訪れた人に見て貰う作品です。記録映画と言えば重厚なナレーションが定番でした。しかしこの作品は、樹齢400年の八溝山のブナの木が一人称で語る構成で、私はそのブナの木の役です。
テレビ番組はほとんどナレーションが入っています。ドラマからバラエティー・ニュース番組・コマーシャル。テレビは不特定多数の人が見るので、ナレーションで補足してあげないと多くの視聴者に理解して貰えません。時間をかけて制作した映像に音楽を入れ最後にナレーションを入れます。先発投手が8回を投げて勝てる直前の試合、最後に登場する抑えのピッチャー大魔神のような役割かもしれません。手元が狂ってすっぽ抜けると試合に負けてしまいます。かといってここでパフォーマンスをしてフォアボールやデッドボールを連発しても押し出しで負けてしまいます。時間をかけた取材を生かし制作者の想いや意図を正確に伝え、かつ視聴者に楽しんで貰わなければなりません。テレビは熾烈な視聴率競争があるので、ナレーションの役割はさらに大きくなります。かと言って9回の裏の守り、これ以上得点を増やすことは出来ません。ただ映像や原稿に描かれている事以上は表現出来ないのです。焦って事実と異なることを言ったり、確認しないまま声にしてしまうと、取り返しのつかないエラーとなるばかりか、視聴者の信頼を裏切る事になってしまいます。
テレビ番組以外の仕事は、スタジオで収録する前に原稿を送って頂きます。以前はファックスでしたが最近はメールが多くなりました。私は残念ながら奥久慈に行ったことがありません。そこで奥久慈とはどんな所か下調べをします。仕事の合間をぬって図書館などで調べますが、インターネットのおかげで今はほとんどPCで用が足ります。おかげで色々なことが分かります。八溝山は茨城県で一番高い山で標高は1022メートル。行ったことのない人でも名前だけは知っている袋田の滝は日光華厳の滝、和歌山嘗那智の滝と並び日本三大名瀑の一つ。高さ120m、幅73mで大きく4段になっているので四度の滝とも呼ばれる・・・等々、医学作品から、宇宙の謎に迫る物理学の作品まで、色々な仕事をするので知識が豊富になるはずなのですが、私の場合はすぐ忘れてしまいます。
さて原稿をチェックし終わったら、一度声を出して読んでみます。ナレーションで難しいのはタイミングです。文章が長すぎたり逆に少なすぎて映像とずれたり、また音楽と合わない場合もあります。ですから映像を見る前に家で下読みするときは、柔軟に対応できるように心がけます。文章を色々な長さで読み分ける事も出来ますが、限界はあります。一つの作品でナレーションが急に速くなったりゆっくりしたりするのでは、どんなにすばらしい映像も台無しです。ですから原稿が長すぎる場合、どうしても必要な情報以外は極力削除してもらいます。完璧な原稿さえ出来れば、もう作品ナレーションの半分は終わったようなものです。さて後はゆっくり休み、本番の収録に備えます。
ビデオサロンのコラムで連載した「ナレーターのひとりごと」を元に書き直したものです。