久しぶりに江戸川乱歩を読みました。聞いて下さい。

江戸川乱歩「木馬は廻る」 朗読カフェ喜多川拓郎朗読

https://youtu.be/J0QSP-mc1Ig

時間39.53

登録日 May 21, 2019

ラッパ吹き 格二郎 の 恋心

面白いので、そのまま公開しました。40分あります。お時間のある時に聞いて下さい。

「ここはお国を何百里、離れて遠き満洲まんしゅうの……」
ガラガラ、ゴットン、ガラガラ、ゴットン、廻転木馬はまわるのだ。
今年五十幾歳いくさい格二郎かくじろうは、好きからなったラッパ吹きで、昔はそれでも、郷里の町の活動館の花形音楽師だったのが、やがてはやり出した管絃楽というものに、けおされて、「ここはお国」や「風と波と」では、一向いっこう雇い手がなく、遂には披露目やの、徒歩楽隊となり下って、十幾年のなが年月としつきを荒い浮世うきよの波風に洗われながら、日にち毎日、道行く人の嘲笑ちょうしょうまととなって、でも、好きなラッパが離されず、仮令たとい離そうと思ったところで、ほかにたつきの道とてはなく、一つは好きの道、一つは仕様事しようことなしの、楽隊暮しを続けているのだった。

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