真打ち昇進お披露目

声優仲間の一龍斎貞友さんが講談協会の真打ちになり、そのお披露目の興行最終日に行ってきました。
開演時間にはすでに超満員、流石です。落語もそうですが、真打ち興行というのは、客にとってはたまりません。なんと言っても豪華なメンバー、師匠で人間国宝の一龍斎貞水さん、宝井馬琴さん、同時に聞けるんですからにわか講談ファンも大満足です。貞友さんは勿論「とり」、先輩や師匠が前に上がります。中入り前人間国宝の一龍斎貞水師匠の出し物は、赤穂義士外伝『梶川の屏風廻し』講談独特の節回しを見事な息遣いで聞かせたかと思うと、素に戻ってお客に語りかける絶妙の語り。
中入り後、口上。先輩や仲間からも慕われている貞友さんの人柄が伝わってくる心温まるものでした。師匠の言葉には、厳しさの影に隠された弟子を想う心がほのぼのと伝わってきました。
そして講談協会副会長宝井馬琴さんの一席が終わると「待ってました!」のかけ声が飛んで、いよいよ貞友さんの登場です。きりっと締まった表情には、伝統ある講談の真打ちとしての気品と自信が溢れていて、美しかったです。(函館で蟹を食べていた時の姿からは想像も出来ません。)この日の演目は鼠小僧次郎吉「汐留の蜆売り」、語りも名調子、人物の演じ分けもまた見事で、客は笑いながらも、いつの間にか話に引き込まれ、泣いていました。贔屓のお客さんも、俄講談ファンも大満足の一日でした。本当におめでとうございます。

人間国宝観劇のはしご

貞友さんのお師匠さん一龍斎貞水さんは重要無形文化財の保持者人間国宝ですが、実は前日にも人間国宝が出演するお芝居を観てきました。なんとも贅沢な「はしご」となりました。
国立劇場の 十月歌舞伎公演、通し狂言「伊賀越道中双六」主演の中村鴈治郎さんは、上方歌舞伎の第一人者で人間国宝。歌舞伎を知らない人には、妹が女優中村玉緒、夫人が扇千景元大臣と言えば直ぐわかると思います。何十年ぶりかの通し狂言と言うキャッチフレーズですが、ストーリーが目茶苦茶でお客には不親切でした。中村雁治郎さんが、荒木又右衛門と呉服屋十兵衛二役演じるのですが、仇同士の後見役なので、余計わかりにくくさせていました。ストーリーではなく、贔屓の役者を見て楽しむと思えば納得ですが、何十年も通しでやらなかった理由がわかった気がしました。しかしそれぞれの芝居はは素晴らしかったです。呉服屋十兵衛を大阪弁で演じる「沼津」という幕は、客席を回ったり楽しませる工夫があり、剣豪と大阪商人の二役演じ分けは見事でした。さすがに浄瑠璃が始まるとつい気持ちよくなって睡魔が襲いましたが こちらも気品があって魅了されました。「通し狂言って長いんだね」というお客さんの声が印象的な4時間半でした。やっぱりガイドのラジオ借りるか下調べをして見るべきですね。

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